建築家河野有悟
建築家小島広行
建築家田邊正樹
注文住宅を建てるには土地が必要です。ここでは土地探しのポイントについて詳しく解説しています。
以下に、3項目にしてまとめてみましたので参考にしてくださいね!
土地探しを始める前に行いたいのが、理想の暮らしをイメージすること。家族のライフスタイルなどをもとに、探す土地の条件を整理します。
住みたいエリアや最寄り駅までの距離、周辺環境の条件などが決まったら、住みたいエリアを得意としている不動産会社に相談します。このときに重要なポイントになるのが、探す土地の条件に優先順位をつけておくこと。絶対に譲れない条件からできれば叶えたい条件まで順位づけを行っておきます。
希望する条件に優先順位をつける理由は、理想をすべて叶える土地と出会えることは少ないから。すべての条件を満たそうとすると、いつまでかかっても土地を購入できないことがあります。このような事態を避けるため、希望する条件に優先順位をつけておきます。
条件に合致する土地を見つけられないときは、古家付土地を対象に含めるなど探す条件を広げてみると良いでしょう。少し妥協すれば、理想に近い土地を見つけられることがあります。また、土地探しの期限を決めておくことも重要なポイントになります。決め手に欠けるなどの理由で、決断できないことがあるからです。理想の土地と出会えないときは、期限を決めて優先順位に従い選択すると良いでしょう。
希望する条件に合致する土地が見つかったら、建築会社などに依頼して敷地調査と地盤調査を行います。検討している土地に家が建つかどうか確かめるためです。
敷地調査で調べるのは、敷地の現状を調べること。具体的には、敷地を測量して正確な形状を把握するとともに敷地面積が公募面積と一致するか確認します。以上のほか、敷地と道路・隣地の高低差、水道・下水道・ガス・電気の配管なども確認します。併せて、法的な規制も調べます。
具体的には、通常の住宅を建てられるかどうか調べるため「地目」、どのような建物を建てられるか調べるため「用途地域」、どれくらいの大きさの建物を建てられるか調べるため「建蔽率・容積率」、「高さ制限」、「斜線制限」などを調べます。これらを調べることで、敷地を上手に生かしたプランの作成が可能になります。
地盤調査で調べるのは、家を支える地盤の強度です。平成12年の建築基準法改正により、家を建てるときに地盤調査を行わなければならなくなりました。地盤調査では、土地の成り立ちを調べるとともに現地調査で土地の様子や水はけなどを確認します。さらに、特殊な機械を使い地盤の強度を調べます。地盤が軟弱な場合は、基礎補強を行い対処します。
土地探しを始める前に行っておくべきことが予算とその内訳を考えておくことです。土地の購入に割ける予算が決まっていないと、理想の土地に出会ったときに予算オーバーしてまで購入する恐れがあるからです。大幅に予算オーバーすると、希望する建物を建てられなくなることやローンの返済に困ることがあります。
最初に考えるべきポイントは、総予算を考えること。続いて、総予算を土地所得費・建築費・諸経費に振り分けます。土地所得費と建築費の割合は、家を建てるエリアや建てる家のこだわりなどにより異なります。土地所得費の目安は地域の不動産会社、建築費の目安は建築会社に相談して把握すると良いでしょう。
最初に総予算を決めているので、土地所得費が大きくなると建築費は小さくなります。反対に、建築費が大きくなると土地所得費は小さくなります。バランスを考えて予算を割り振ることが重要です。
少し面倒ですが、満足できる家を建てるために欠かせないプロセスです。おおよその土地所得費を決めてから土地探しを始めましょう。
注文住宅の土地を探すには誰に相談すればいいの?という疑問を持っている方も多いと思います。土地探しは土地の売買や仲介を行っている不動産会社だろう、という考えもあれば、土地には詳しくないかもしれないけど設計事務所や工務店に設計と一緒に相談すべきでは?と考える方もいるでしょう。それぞれの強みがあるので、どちらが正しくてどちらが間違いということではありません。私のおすすめは、建築部門を持っている不動産仲介会社です。
不動産仲介会社とは土地のプロです。このような会社であれば、土地と住宅をそれぞれ違う会社に頼む無駄がなく話が早いですし、何より、家を建てるのに適した土地を見つけやすいです。また、土地と家との費用バランスを相談しながら土地探しをできるのもメリットですね。注文住宅の建築をしている不動産会社を探してみましょう。
さらに、住宅の建築を依頼する会社を選ぶ際には、地場の土地に詳しいか?土地探しにも協力してくれるか?という点もチェックしてみてください!そのような会社の方が、よい土地を知っている可能性が高いです。
不動産会社で先に土地を買ってから、建築してくれる会社を探す…という方も中にはいるようですが、あまりおすすめできません。なぜなら土地というのは、購入すればそのまま家を建てられるといった単純なものではないからです。
土地を買った後は、まず地盤調査を行わなければなりません。もし、地盤が弱ければ地盤改良する必要があり、ガス管や水道管などの引き込み工事も必要なのです。住宅の構法や大きさによっても地盤補強が必要になるケースもあります。このように、住宅を建てられる状態にするまで数十万~数百万の費用がかかることもあるのです。
また、住宅が隣接している土地や道幅の狭い土地、旗竿地などでは工事自体が難しい可能性もあり、限られた方法で家を建てなければならなかったり、工事を断られてしまったりするケースもあるようです。
土地を先に買ってしまうと上記のようなリスクがあるので、できれば住宅を決めてから土地探しに入りましょう。
土地を買うというのは非常に大きな買い物です。将来のことも考えながら、後悔しないよう十分な情報を集めましょう。
周辺環境はどうか?利便性はどうか?再開発の予定はあるか?など、確認しておきたいポイントはたくさんあるはずです。もちろん、イメージしている住宅がその土地に建てられるだけの条件が整っているか?という点も要確認です。
過去その土地がどのような場所だったかなども調べてみるのもよいですね。土地のレポートを提供してくれる会社もあるようですので、要チェックです。購入後に思わぬトラブルに合わないためにも、土地の情報に詳しい会社に依頼するのがよいです。
また、古家付きの土地(古い建物が建っている土地)は別途で建物の解体費用がかかったり、再建築不可の可能性もあるのであらかじめ確認を。建築条件付きの土地は、基本的に土地売主が指定する建築会社と、一定期間内に建築工事請負契約を結ぶことが条件となるようなので、覚えておきましょう。
上記の他にも、何か気になったことがあれば遠慮せずに根掘り葉掘り聞いてみましょう!そのうえで、希望条件に優先順位をつけておいて譲れない条件以外は妥協する…という考え方も必要になるかもしれませんね。
建築家河野有悟
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